小児疾患


先天性股関節脱臼

 

病的なものや外傷など特別な理由がなく、出生時に生じた股関節の脱臼、亜脱臼、臼蓋形成不全等を指します。全体的に減少傾向にありますが、罹患率は9:1と圧倒的に女児に多い疾患です。

 

股関節委の開排制限や患側の外見上の短縮がみられ、将来変形性股関節症に進行する可能性があるため、小児期での治療が重要になります。

 

先天性股関節脱臼に対する装具療法では、主にリーメンビューゲルと呼ばれるベルト状の装具により、股関節を曲げて開いた状態で保持します。この姿位により股関節を安定させ、脱臼しやすい足を閉じた状態になることを防ぎます。

 

【製品例】

 

リーメンビューゲル

 


脳性麻痺

 

脳性麻痺は「受胎から新生児期(生後4週間)までの間に生じた脳の非進行的病変に基づく、永続的なしかし、変化しうる運動及び姿勢の以上」と定義されています。

 

その症状は満2歳までに現れ、進行性疾患や一過性の運動障害、将来正常化するであろうと思われる運動発達の遅延は除外されます。痙直型と呼ばれる脳性麻痺では、成長により主導筋と拮抗筋の不均等が進むことで、変形や拘縮が起こってきます。

 

たとえば、つま先が下がったままになる尖足や偏平足のような外反、その反対方向に内反する足部の変形、反張膝や屈曲などの膝の変形、内股・屈曲などの股関節の変形が現れます。

 

そのため、装具も変形や拘縮の予防やその矯正を目的とした装具が処方されます。 

また、不安定な関節を支え、立位での体重支持や歩行や移動のためにも使用され、日常生活のほか、正常運動発達の促進を行います。成長期を過ぎた脳性麻痺の方では、運動発達というよりも変形や拘縮の予防や矯正、残存機能の活用を目的に装具が使用されます。

 

【製品例】

 

小児用短下肢装具

 


脊柱側弯症

 

人の脊柱つまり背骨は上から頚椎前弯、胸椎後弯、腰椎前弯、仙椎後弯と前後方向に弯曲していますが、側方向の弯曲はみつけられません。側弯症とはその名の通り、背骨が左右どちらか、もしくは両方に弯曲してしまう疾患です。先天性や特発性、神経筋性などの側弯症にはいくつかタイプがありますが、その内のひとつ、特発性側弯症は思春期に発生する側弯症です。原因は不明ですが、男性より女性に多く、左右の弯曲に加えて背骨のねじれもみられる場合があります。

 

側弯症に対する装具療法の対象は弯曲の角度が25~40度で、25度以下は経過観察となります。骨成長が完全に終了する前に、自身の成長力を利用しながら装具によって弯曲とは逆の力を加えて、現状以上の進行を防ぐ目的で使用されます。

 

弯曲している箇所によって装具の形は異なりますが、曲がった背骨を押し返すくらい強い力を必要とするので、支柱やパッドなどが付き、かさばることがあります。思春期ということで見た目を気にされる患者様もいらっしゃいますが、骨格が完成にむかう成長期は装具療法にとって大変重要な時期です。

 

治療に対するご本人様のご理解とご家族のサポートが大切になります。また弯曲の角度が40度以上になると手術療法が用いられることがあります。

 

【製品例】

 

シェノーブレース

・ボストンブレース

・ミルウォーキーブレース